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プロコードとは?メリット・デメリットについてわかりやすく解説
システム内製化を実現したいけれど、プロコードとローコードのどちらがよいのだろうか?そもそも、プロコードでシステム開発するためには、どのようなプログラミング言語を習得すべきなのだろうかと気になっていませんか? そのような方向けにプロコードについて詳しく解説します。
この記事では、プロコードの課題を解決する方法までご紹介しているため、システム内製化を実現する際にお役立てください。
プロコードとは
プロコードとは、JavaScriptやPythonなどのプログラミング言語を用いてソフトウェア開発することをいいます。
代表的なプログラミング言語には、以下のようなものがあります。
- Python:シンプルかつわかりやすい文法が特徴の言語
- Java:環境に左右されないため、マルチプラットフォームを実現できる言語
- PHP:動的なWebページを制作する際に必要なサーバーサイドの言語
- JavaScript:ブラウザに動きを与える指示を出す際に使用する言語
- Swift:シンプルなコードで構成されており、処理速度が速い言語
- C#:セキュリティも堅牢であり、汎用性の高さが魅力の言語
- GO:シンプルかつ高速処理を得意とする言語
- HTML/CSS:Web上にテキストや画像を表示させるために必要な言語
プログラム言語で自由にコードを記述できるため、ユニークなソフトウェアを開発できます。また堅牢なソフトウェア開発にもプロコードが用いられるケースが多いです。
プロコードとローコードの違い
プロコード |
ローコード |
|
開発手法 |
プログラミング言語 |
ワークフローエンジン |
開発スピード |
遅い |
速い |
開発コスト |
高い |
安い |
運用範囲 |
高い |
低い |
拡張性 |
高い |
低い |
開発例 |
複雑なソフトウェア 堅牢なソフトウェア |
汎用的なソフトウェア |
プロコードとローコードの違いは開発手法です。開発手法が異なるため「開発スピード」「開発コスト」「運用範囲」「拡張性」が変わってきます。
ローコードについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『ローコードとは?メリット・デメリット、選び方までわかりやすく解説』
プロコードのメリット
プロコードのメリットは3つあります。
- 洗練されたソフトウェアを開発できる
- 脆弱性に対して対策が行える
- スケーラビリティが高い
ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
洗練されたソフトウェアを開発できる
プロコードによるソフトウェア開発は、ローコードのような制約を受けることはありません。ソフトウェア機能やUI/UXデザインにこだわることができるため、使い心地のよい製品を開発できます。
また、競合他社が真似できない自社独自の強みを反映したソフトウェアの開発もできます。
脆弱性に対して対策が行える
ソフトウェアで脆弱性が主な原因には、以下のようなものが挙げられます。
- プログラミング・コーディングなどの人為的ミス
- 上流工程での設計ミス OSやミドルウェアなどの脆弱性
- ウイルスによるサイバー攻撃
プロコードでソフトウェアを開発すれば脆弱性に対して対策が行いやすいです。ローコードと比較すると、セキュリティソフトやOSをアップデートしたり、ヒューマンエラーコードを修正したりできます。
スケーラビリティが高い
プロコードによるソフトウェア開発は、スケーラビリティが高いです。
例えば、ソフトウェアをリリースした後に機能を追加するスケールアウトなどが容易です。ソフトウェアの利用状況やユーザーからの要望に対して柔軟に対応できます。
プロコードのデメリット
プロコードにはデメリットも3つあります。
- 開発費用が高い
- 開発期間が長い
- プログラミング知識が必要
ここでは、3つのデメリットを解説します。
開発費用が高い
プロコードは、JavaScriptやPythonなどのプログラミング言語を用いてゼロからソフトウェアを開発します。要件定義や設計、プログラム実装やテストの開発工程を1つずつ行わなければいけません。
プログラミング知識を持つエンジニアを確保する必要があるため、開発費用が高くなります。プロコード開発とローコード開発の費用を比較すると、約2倍程度のコストがかかります。洗練されたソフトウェアを開発できますが、その分、開発コストが高くなることを理解しておきましょう。
開発期間が長い
プロコードはエンジニアがソースコードの記述をするため、開発期間が長くなりがちです。
1つ1つコードを入力するため、潜在的なバグの数が多くなり手直しも必要になります。ノーコードと比較すると2倍ほど開発期間が伸びます。
ソフトウェア開発を効率的に進めるために、アプリケーション固有の要件を実装するプログラムを追加するのが一般的です。しかし、要件を実装するプログラムを追加してもある程度の開発期間はかかります。
プログラミング知識が必要
プロコードは、JavaやPythonなどのプログラミング言語に関する知識を持ったエンジニアを採用しなければいけません。
しかし、国内ではエンジニア不足が深刻な問題となっています。経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課のIT分野についての調査では、2020年には約37万人、2030年には約79万人のエンジニアが不足する可能性があると述べられています。つまり、プロコードでソフトウェア開発を行いたくてもエンジニアが採用できないという悩みを抱えてしまうことになるのです。
プロコードとローコードの併用がおすすめの理由
プロコードの特徴をご紹介しましたが、システム内製化を目指すならプロコード+ローコードを併用したハイブリッド開発がおすすめです。ここでは、プロコードとローコードの併用がおすすめの理由をご紹介します。
システム内製化を実現できる
ローコード+プロコードのハイブリッド開発環境を整備しておけば、システム内製化が実現しやすくなります。汎用的な機能を開発する際にはローコードを選択し、高度な機能を開発する際にはプロコードを選択できる状態にしておけば、洗練されたソフトウェアを短期間で開発できます。
システム内製化を行う上でエンジニア採用が課題となりますが、汎用的な機能はリスキリングした従業員に開発させて、高度な機能をエンジニアに開発とさせることも可能です。このような体制を整備しておけば、システム内製化が実現しやすくなります。
開発スピードを向上できる
ビジネス競争が激化する中で、企業競争力を高めるためにはシステムの開発スピードを上げることが大切です。ローコード+プロコードのハイブリッド開発であれば、ローコードで汎用的な機能を短期間で開発し、プロコードで複雑な機能を開発すれば開発期間を短縮できます。そのため、社内の要望を瞬時に反映できるようになります。
ローコードの制約から解放される
ローコード+プロコードのハイブリッド開発の魅力は、一般的なローコードツールによる開発の制約から解放されることです。
ローコードツールでよくある失敗として、導入後2、3年が経過した際に要件レベルが上がり、ローコードツールの開発制約により希望の機能が開発できなくなることがあります。
ローコードツールのベンダーに相談しても、ローコードツール上で要望は叶えられないためフルスクラッチ開発してもらってくださいと言われてしまい、二重債務を抱えることになります。ローコード+プロコードのハイブリッド開発を整備しておけば、このような悩みから解放されます。
ハイブリッド開発について詳しく知りたい方は下記の記事をお読みください。
関連記事:『ローコードとプロコードを活用したハイブリッド開発のススメ』
まとめ
プロコードとは、JavaScriptやPythonなどのプログラミング言語を用いてソフトウェア開発することをいいます。
プロコードで開発すれば、洗練されたソフトウェアを開発できたり、脆弱性に対して対策が行えたりすることがメリットです。その一方で、開発コストが高く、開発スピードも遅いことがデメリットとなります。
システム開発を内製化する場合は、プロコード+ローコードのハイブリッド開発を選択すればプロコードのデメリットが解消されます。システム開発内製化を目指して入る方は、ハイブリッド開発をご検討してみてください。