ブログ

ブログ一覧に戻る

システム開発の内製化とは?3つの課題の乗り越え方を紹介

システム開発を内製化が活発に動き出しています。

ビジネスの競争力を向上するためには、ベンダー依存の状況から脱却しなければいけません。大企業を中心にシステム開発における即応力を得るために、システム開発拠点の設置やエンジニア採用が行われています。

しかし、システム開発の内製化に失敗するケースも多く見受けられます。そのため、システム開発を内製化する方法を理解しておきましょう。

この記事では、システム開発の内製化を実現するヒントをまとめました。ぜひ、レガシーシステムの脱却やDXの推進を行う際にお役立てください。

システム開発の内製化とは

システム開発の内製化とは

システム開発の内製化とは、社内で「システム開発」「システム運用」「システム保守」を行うことをいいます。 現場の声を反映できるため、柔軟に対応できるようになります。

ベンダー依存から脱却することで、システム開発に関するナレッジが蓄積し、レガシーシステムからの真の脱却を目指せることがメリットです。

このような恩恵を受けるために、大企業を中心にシステム開発の内製化に取り組む動きが出てきています。

システム開発の内製化の比率

システム開発の内製化の比率

情報処理推進機構(IPA)の「DX白書2023」では、コア事業における内製化の比率は24.8%と記載されています。

米国のコア事業における内製化の比率は53.1%のため、2倍近くの開きがあります。 IT競争力の国際ランキングで1位を獲得する米国に対し、13位を推移する日本。IT競争力の弱さはシステム開発の内製化ができていないことが要因です。

システム開発の内製化の事例

  • 内製構築した大規模言語モデルを活かしたAIシステムを順次稼働させている「クレディセゾン」
  • ビジネス環境が激変する中で、機敏に動ける組織づくりのためにリスキリングを実施している「ベネッセコーポレーション」
  • ローコード開発を徹底して新規プロジェクトの内製化率50%を達成「住友重機械建機クレーン」
  • ローコード開発ツールを活用して「為替決済システム」を開発「みずほ銀行」
  • ERPの刷新に伴いフロントシステムをローコードで開発「日本経済新聞社」

システム開発を内製化するメリット

システム開発を内製化するメリット

システム開発を内製化するメリットは4つあります。

レガシーシステムから脱却できる

レガシーシステムとは1980年代に導入され、技術が廃れて運用・保守の負担がかかるシステムを指します。

新しいシステムへの刷新により、レガシーシステムから脱却できると言われていますが、ベンダー依存によるシステム開発をやめない限り、いつかシステムは廃れていくことでしょう。

システム開発を内製化してナレッジを蓄積し、社内で保守・運用をできる状態にすることが、レガシーシステムからの真の脱却と言えます。

開発スピードを向上できる

社内でシステム開発を行えば、現場の声を即座に反映できるようになり開発スピードを上げられます。

ベンダーにシステム開発を依頼すると、要件定義など打ち合わせが必要となり、認識ズレが起きて手戻りが発生し開発スピードが遅れます。 システム開発の内製化を実現できれば、現場の声をシステムに即座に反映できるようになるため、競争力や即応力を高めることが可能です。

開発スピードを向上させる方法を知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。

>>システム開発スピードを高める9つの方法!遅い原因まで詳しく解説

システム開発のナレッジを蓄積できる

システム開発を内製化すれば、次のようなナレッジを蓄積していけます。

システム開発の工程はどれぐらいなのか? システム開発手法の中で、どのような手法がよいのか? どのようなフレームワークを活用すれば、システム開発を効率化できるのか? システム開発のナレッジを蓄積していくことで、どのようなアプリケーションを開発できるか閃くようになり、DX推進を加速していけます。

DX推進力を向上できる

レガシーシステムから脱却して開発スピードを上げていき、現場ニーズを反映したシステムを即座に開発できればDX推進力が高まります。その結果、生産性向上が見込めるだけでなく、対外的信用力の向上も期待できるでしょう。

例えば、東京証券取引所に上場している企業の中で、優れた取り組みをしている企業と認定されればDX銘柄として紹介されて投資家から資金調達されやすくなります。

システム開発の内製化における課題

システム開発の内製化における課題

システム開発の内製化にはさまざまなメリットがありますが、容易に取り組めるものではありません。失敗してしまうこともあります。システム開発の内製化における課題は主に3つあります。

アプリケーション開発の難易度が高い

開発したいアプリケーションで異なりますが、アプリケーション開発の難易度は比較的高いです。動きが単純なゲームアプリやメモアプリであれば、初心者でも開発できるかもしれません。 しかし、複雑なアプリを開発する場合は難易度が高いと感じてしまうでしょう。

プログラミング言語の中でもJavaは難易度が高い言語のため、社内エンジニアを採用したり、リスキリングを行う必要があります。

ITエンジニアの確保が難しい

日本はエンジニアの不足傾向にあり、社内システム開発部門を設けても人材を確保できないという悩みが出てきがちです。

経済産業省「IT人材の供給動向の予測と平均年齢の推移」によると、2030年にはITエンジニアが最低でも41万人、最高では79万人不足すると言われています。現在もITエンジニア不足は深刻な問題となっており、システム開発の内製化を目指したいけれど、IT人材を確保できないという壁にぶちあたる企業も存在します。

大規模システム開発が難しい

システム開発を内製化する場合、大規模システム開発が難しくなります。

なぜなら、システム開発の際には大量のエンジニアを確保する必要がありますが、運用、保守の時点では大量のエンジニアが不要となります。 システム開発時に業務委託でエンジニアを採用する選択肢もありますが、コミュニケーションコストが発生するでしょう。

内製化における課題を解決する方法

内製化における課題を解決する方法

システム開発の内製化における課題を解決する方法には、次のようなものが挙げられます。

ローコード・ノーコードを活用する

アプリケーション開発の難易度が高さを課題に感じている場合は、ローコードやノーコードを 活用することで解決できます。

ローコードとは、必要最低限のソースコード開発でアプリケーションを開発する手法です。そのため、従業員にプログラミングの基礎を教えるだけでシステム内製化を目指せます。 その一方で、ノーコードとは、ソースコード不要でアプリケーションを開発する手法です。ローコード開発ツールの仕様上の制約は受けますが、自社に欲しいアプリが開発できるのであれば、ローコードもおすすめです。

しかし、ローコードやノーコードのツールにより開発における制約を受けてしまう恐れがあるため、仕様やサポート体制など確認するようにしましょう。近年はシステム開発の制約を受けにくいローコード+プロコードのツールが登場してきています。 

関連記事:『ローコードとプロコードを活用したハイブリッド開発のススメ

ノーコードについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

関連記事:『ローコードとは?メリット・デメリット、選び方までわかりやすく解説

システム開発における相談先を確保する

システム開発の内製化に取り組む企業が失敗してしまう理由は、社内業務に関するナレッジやITに関するナレッジがないにも関わらず見切り発車で進めてしまうためです。 システム内製化を成功させるためには、信頼できるベンダーとネットワークを築いておき、いつでも相談できる関係を確保しておくことが大切です。

とくに、社内の従業員が保有するIT技術力などにより、どのように内製化すべきか変わります。ローコードやノーコードを採用する際も、自社に合うものを選ばなければいけません。そのため、システム内製化の初期にはプロに伴走してもらうことをおすすめします。 

アプリケーションのテンプレートを活用する

ノーコードやローコードツールでは、アプリケーションテンプレートが提供されているケースがあります。例えば、「concentFlow」では見積作成システムのテンプレートが用意されています。

自社特有の見積作成システムを開発するためにはコストも時間もかかりますが、テンプレートをベースに改修すればシステム開発を効率化することが可能です。

システム開発の内製化の始め方

カジュアルビジネス イメージ

システム開発の内製化で失敗してしまうケースもあります。システム開発の内製化が失敗する理由は準備不足です。このような失敗に陥らないように、システム開発の内製化の始め方を理解しておきましょう。

システム内製化の目的を考える

最初にシステム内製化を目指すべきなのかを考えることが大切です。 2025年の崖ではレガシーシステムの脱却が呼びかけられています。このレガシーシステムの脱却方法には、ベンダー開発やクラウドサービスの利用など他の手法もあります。

社内が取り組みたいことや、現状によりどの手法がよいか変わるでしょう。必ずしも、システム内製化が必要なわけではないため、目的を考えるようにしましょう。 レガシーシステムの脱却方法の記事

内製化が実現できるか考える

次にシステム開発の内製化が実現できるかを考えます。システム開発の内製化を実現する上で考えるべきことは、誰が主体になり取り組むのかです。

システム開発部門を設けてシステム開発する方法もあれば、従業員をリスキリングしてシステム開発体制を目指す方法もあります。また、リスキリングする際はどのように進めるかを検討しておくと、スムーズに回るようになります。

PoC開発で検証する

システム開発の内製化を目指す際は、まずはPoC開発をして実現可能かどうかを検証 するようにしましょう。検証することで、上手くいくかどうか判断できるようになり、リスクを最小限に抑えることができます。

自社に見合うシステム内製化の方法を見つけよう

システム開発の内製化を行うことで、DX推進を加速させられます。また、ベンダー依存から脱却することで、システム開発や運用・保守のナレッジが蓄積でき、レガシーシステムからの真の脱却を目指せることが魅力です。

しかし、システム開発の内製化では、あらゆる課題が出てきて想像以上に難しいです。この記事では、システム開発の内製化における課題を解決するヒントをご紹介したので、ぜひお役立てください。

もし、自社に見合うシステム内製化の方法について相談したい方は、良ければ弊社にご相談ください。

お問い合わせはコチラ

カテゴリ

タグ